
058
ソフトウェアの設計原則と
プラクティス
2.3
設計原則とは
2.1節で、ソフトウェアの設計とは構成要素への分割、各構成要素へ
の責務の割り当て、構成要素同士の相互作用を決める行為だと述べまし
た。また、2.2節では、ソフトウェア設計の四つの抽象レベルについて
説明しました。
この設計の良し悪しが、ソフトウェアの内部品質を左右します。気を
つけて設計を行わないと、第1章で紹介した「巨大な泥団子」パターン
に陥り、大きな技術的負債を抱えてしまうリスクがあります。
そのようなリスクを回避し、良い設計を行うにはどうすればよいので
しょうか。それには、ソフトウェア業界の偉大な先人が見出した設計原
則を活用するとよいのです。設計原則とはソフトウェアを設計する上で
一般的に従うべき指針を指します。
SOLID原則
SOLID原則は、ロバート・C・マーチン氏が2000年に書いた論文
『Design Principles and Design Patterns』
※6
の中でまとめられたオブ
ジェクト指向の設計原則に対して、各々の頭文字を取って命名されたも
のです。その後、同氏らによる著書
※7
で改めて紹介されました。
具体的には図2.3.1に記載した五つの原則を指します。以降、それぞ
れの原則を説明します。