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3.5
アーキテクチャの比較評価
比較評価マトリクスによるトレードオフ分析
3.3節で述べたように、アーキテクチャの選定とはトレードオフで
す。取りうる選択肢のそれぞれについてメリットとデメリットを並べ、
比較評価した上で最も適切な方法を選ぶことが、アーキテクチャ上の設
計判断を下すということです。すべての項目で満点を取るような選択肢
はまず存在しないので、ベストなものを選ぶというよりは、最も「まし
な」ものを選ぶ作業とも言えます。そういった意味で、この設計判断は
常にアーキテクトの頭を悩ませるものです。
ではどのようにして比較評価を行うべきなのでしょうか。アーキテク
チャの目的に立ち返ってみると、上位のビジネス要求を満たすために、
品質特性をはじめとする重要な考慮事項すなわちアーキテクチャドライ
バを達成することが、アーキテクチャが満たすべき必要条件でした。
よって、アーキテクチャドライバや、それを分解した要素が評価軸とな
ります。これらの評価軸を縦に、取りうる選択肢を横に並べた比較評価
マトリクスを作成します。
例として、3.3節で見たケーススタディにおけるサービス分割の判断
材料となった比較評価マトリクスを図3.5.1に示します。「経費精算
サービス」のように大きな括りのサブシステムを一つのサービスとする
粗粒度のサービス分割とするか、あるいは経費精算業務の中でも「申
請・承認」「一覧検索」「マスタ管理」のような個々の業務をマイクロサー
ビスとして独立させる細粒度のサービス分割とするか、分割方針を比較
評価したものです。縦軸には品質特性のほか、考慮すべき制約条件など ...