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抽象化は、合成生物学にとって特に重要です。な
ぜなら、細胞環境や細胞プロセスは、非常に複雑で
あるからです。仮に私たちが各々の新しいデザイン
を詳細まで理解しようとしたなら、私たちはあまり
にじっくりとアイデアに取り組まねばならないこと
に苦労するでしょう。そうではなく、私たちは細菌
細胞を「ブラックボックス」と考えることができま
す
(図
1-5
参照)
。言いかえれば、特に最初の設計を考
える時、私たちは細胞内のあらゆる経路の詳細に悩
まされる必要はありません。
図
1-6
に抽象化の階層レベルを示します。最も抽象化の高い階層はシステムであり、
細胞のブラックボックスです。そのシステム内で私たちは、環境化学物質を検出し、そ
れに応答して特定のにおいを生成するといった特定の機能のデバイスを開発したくな
るかもしれません。どのようにそのデバイスを動かしたいか決めたら、各々のデバイ
スを作るのに必要となるさまざまなパーツについて考え始めることができます。例え
ば、環境化学物質を検出する方法や、においの出力を制御するための応答の方法など
です。最後に、最も抽象化の低い階層
(これはまったく抽象的なものではなくなります)
にな
ると、これはパーツとして使うために手元に持っておく実
際の遺伝子配列になります。このようにデザインプロセス
を抽象化の階層に分解することによって、私たちは問題を
より効果的に対処できるごく小さな要素にまで分けること
ができます。次の「バイオデザインの基礎」の章では、こ
れらの抽象化の各レベルの詳細に入っていき、 ...