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た話は
DNA
合成産業の認知度を高めましたが、バイオセキュリティの問題については
目覚ましい進展をもたらしはしませんでした。悪事を働こうとしている人を抑止する
ために合成技術や配列情報の十分な安全を確保することと、学術機関や産業界の研究
者がワクチンや他の治療法の開発のために悪性の病原体の
DNA
配列を注文するといっ
た正当な研究の理由でのアクセスを保証することの適切なバランスを取ることが重大
な課題として残っています。
生合成の薬と公益の経済
合成生物学の最も初期の成功のひとつに、合成生物学の会社アミリス
(
Amyris
)
に
よるアルテミシニン酸
(抗マラリア薬アルテミシニンの貴重な前駆体)
の微生物生産があげら
れます。その抗マラリアの特性が発見されて以来、アルテミシニンの需要は高まって
きていますが、生産するのは幾分難しさもあります。歴史的には、アルテミシニンは、
それを自然に生成する中国のヨモギ属の植物クソニンジン
(
Artemisia annua
)
から抽出さ
れていました。しかし、農家はこの抽出プロセスに対する葉の安定供給に苦労し、そ
の結果、供給と価格の大きな変動を招いていたのです。アルテミシニンの信頼できる
供給源が薬の市場価格を安定させ、また需要をさらに満たすと信じて、カリフォルニ
ア大学バークレー校のジェイ・キーズリング教授と彼の研究室はアルテミシニンを合
成的に生産する研究に着手しました。合成生物学の多くの基礎技術と代謝工学の分野
の確立されたツールを使うことで、薬の前駆体を産生できる細菌と酵母株を操作する ...