084
バイオビ ルダ ー
|
4
章
生命倫理の基礎
ありました。どのアルテミシニンの生産プロセスが最終的に最も安価な治療法をもた
らすか、あるいはそもそも費用が最重要問題であるかどうか、他にも疑問はあります。
特に治療を受ける機会については、その費用と同等かそれ以上の重要性を持つ可能性
があり、必要な化合物を製造すること以上に、治療機会の阻害要因へのインフラや政
策手段による対処がなされなければなりません。
その成功と崇高な使命にもかかわらず、抗マラリア薬の合成生産は単純明快な事例で
はありません。手頃で安定した治療を必要とする患者と生計を立てる必要のある農家
の両方にとって、どの供給源がより良いかの議論は続いています。これまでの事例研
究では、主に健康、安全、環境の健全性の問題にフォーカスしていたのに対して、こ
のアルテミシニンの例は、合成生物学の応用が科学や医学を越えて文化や経済を含む
複雑な世界問題までおよぶことを示しています。どんなプロジェクトにおいても、追
求するか支援するかの判断は複雑であり、研究者、資金提供機関、消費者のすべてが、
何を「良い研究」と見なすのかを決定する義務の一部を負います。
生命倫理のグループ演習
生命倫理とバイオデザインの演習は、課題と機会の多くを共有しています。どちら
も明らかに「正解」あるいは「不正解」のアプローチというものはなく、両方とも答
えよりもプロセスを重視して進められます。生命倫理を教えるうえで、私たちが個人
に望むことは以下のことです。
•
新しい進展から生じる倫理的ジレンマを認識すること
•
異なる視点の意見を聞いて評価する方法を実践すること
•
政策や考えのギャップを解決する行動方針を提案し正当化すること
いくつかの解決は誰の目にも明らかであり、またいくつかは永遠に議論され続け ...