
047
競合する標準
標準は、どんなところにも生じうるもので、実際に生じています。例えば、主にア
メリカで使われる単位である「フィート」
(図
3-2
)
は、人の足のおおよその長さを基に
しています。もちろん、足の長さは人によってかなり違います。「自分の足の長さ」を
基準にするという元の発想は、個人にとって、例えばひとりで家を建てようとする建
造者にとっては便利だったのかもしれません。しかし、その建造者が大工から資材を
手に入れる必要があった場合に、建造者と大工の足のサイズが同じでなかったら建造
者は困るでしょう。必要な
16
フィートの板材は、どっちの人の足が大きいかによって
長くなりすぎたり、短くなりすぎたりするかもしれません。もちろん、今では、そのよ
うな一貫性のない状態を排除するため、標準規格化されたフィートの長さがあります。
もうひとつの長さの標準としてメートルがありますが、これは赤道と北極点の間の
距離の
1,000
万分の
1
と定義されました。この長さは人によって変わることはないです
が、独力で測定することは困難です。もし家を建てる作業をしている建造者が自分の
足ではなくメートルで資材を測るとしても、彼は赤道から北極点の間の距離の一部分
を直接測ることはできません。そのため、すべての長さを見積もるためにはメートル
尺が必要となります。それは大工も同様です。
フィートとメートルは長さの代替単位であり、「競合している標準規格」とそれぞれ
の選択肢に長所と短所があることを示す一例です。フィートはただちに役立ちますが、 ...