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実用性をどのようにデザインするか
合成生物学のアプリケーションのためのシャーシを選択する際、研究者は「汎用的
な実用性」と「ニッチな実用性」の両方を考えます。汎用的な実用性とは、総体的に
役に立つ特性を指します。例えば、研究室の環境下で急速に増殖する細胞などがあげ
られます。そのうえ、一般的に役立つシャーシは、比較的容易に扱えます。よって、科
学者が頼りにする共通のモデル生物
(大腸菌や出芽酵母など)
の多くが、合成生物学者に
とって魅力的なシャーシとなることは十分理解できるでしょう。これらの細胞には、合
理的かつ高い信頼性で細胞の設計と操作をするための堅牢なツールがあります。
一方で、ニッチな実用性というのは、特定のアプリケーションに適切となるような
細胞の性質を指します。ニッチな実用性のひとつの例は、
BioBuilder
の
6
章「
Eau That
Smell
実験演習」の遺伝子プログラムの宿主菌です。この実験のことをよく知っていた
なら、このプロジェクトの合成生物学者たちがバナナかウィンターグリーンの良いに
おいを生成する細菌を作ろうとしていたことを思い出すでしょう。この目標を成しと
げるために、彼らは使用していた大腸菌が自然に発生する悪臭を取り除きました。つ
まり、大腸菌のトリプトファン生合成経路から遺伝子をひとつ削除したのです。結果
的に、この「悪臭を除いた」シャーシを使って、香りを生成する遺伝子プログラムを
実行させたのでした。
考えられる各目的に対して適切なシャーシを見つけるためには、
2
つの相補的なア
プローチがあります。そのひとつは、「ほぼ野生型生物」のアプローチ
(図
9-1
参照)
と
呼ぶことができます。これは、合成生物学者が考えた新しいシステムのタスクを実行
するだけの能力があるかどうかを基準として、シャーシを自然から見つけることです。 ...