
192 7 章 数理モデル
すれば、まったく異なる仕事をすることができる。このように説明すると、汎用モデルの方が個別モデルよ
りもずっと優れているように感じられる。
本当のことを言えば、最良のモデルは第一原理モデルとデータ駆動型モデルの両方を使っている。専門分
野をできる限り深く理解することも、モデルの訓練、評価のために最良のデータを使うことも大切である。
7.2.4 確率論的モデルと決定論的モデル
モデルから
たった 1 つこれ以外にはない「予言」を求めるのは、愚か者の行為だと言ってもよい。世界は
多くの物事が絡み合う複雑な場であり、時間がもう一度繰り返されることがあっても、事象は同じようには
展開していかないだろう。優れた予測モデルはそのような考え方を内包しており、取り得るあらゆる結果の
確率分布を出力する。
確率論的は、「でたらめに決まる」ということをもっともらしい響きにした言葉である。ロジスティック
回帰やモンテカルロシミュレーションといった技法には、モデルに正面から確率の概念が組み込まれてい
る。モデルは、次のような確率の基本性質を尊重して作ることが大切だ。
• 確率は 0 と 1 の間の値である:この範囲に収まらない値は、直接確率を推計できない。原則に従い、
値をロジット関数(4.4.1 節参照)に渡して確率に変換しなければ解決できないことが多い。
• 確率の合計は 1 にならなければならない:0 から 1 までの範囲になるように独立に生成した値は、合
計しても事象空間全体を覆う 1 にはならない。この問題は、 ...