
8.2 行列演算の可視化 231
8.2.6 行列のランク
連立方
程式は、n 個の一次独立な方程式と n 個の未知数があるときに解が一意に求まる。例えば、次の連
立方程式
2x
1
+ 1x
2
= 5
3x
1
− 2x
2
= 4
は、解が一意に求まる。点 (x
1
= 2, x
2
= 1) が唯一の解である。
それに対し、他の行の線形結合で表現できる行(方程式)があるときには、連立方程式の解は不定である。
次の連立方程式
2x
1
+ 1x
2
= 5
4x
1
+ 2x
2
= 10
は、第 2 行が第 1 行の倍になっているため、解が不定である。解が不定な連立方程式では、一意な解を決定
するために必要な情報が揃っていないことが明らかだろう。
行列のランク、階数は、一次独立な行の数である。n × n 行列のすべての演算が適切に定義されるために
は、ランクが n でなければならない。
行列のランクは、ガウスの消去法で計算できる。連立方程式の解が不定の場合、行を消去するうちに、一
部の変数が消える。解が不定の連立方程式と特異行列の間にも関係がある。特異行列は、行列式が 0 になる
かどうかで判別できたことを思い出そう。上の解が不定の連立方程式の係数を斜めに掛け合わせたものの
差、(2 · 2 − 4 · 1) が 0 になるのはそのためだ。
特徴行列のランクは、思ったより低いことが多い。データを集めたファイルには重複するデータが含まれ
ることが多い。重複するデータは行列内で重複行になる。複数の列が同じになることもある。例えば、各レ
コードにフィート単位とメートル単位の高さ情報が含まれている場合などだ。 ...