
8.5 固有値分解 237
図 8 -12 リ
ンカーン記念堂の最大の固有ベクトルだけでも、共分散行列の細部のかなりの部分を捕捉でき
ている
図 8 -13 1 個
、5 個、50 個の最も大きい固有値に対応する固有ベクトルからリンカーン記念堂を再構築し
たときの誤差
などの特徴が復元されており、再構築という点では高く評価できる。
誤差行列は誤差がまだらな領域で発生していることを示している。より細かい細部を描くためには、もっ
と多くのベクトルが必要であることを示しているのだ。図 8 -13 は、それぞれ 1 個、5 個、50 個の最も大き
い固有ベクトルを使ったときの誤差行列を示している。誤差行列は細部を再構築するにつれて小さくなり、
誤差も小さくなる。50 個は、行列を完全に復元するために必要な 512 個の 10 % 未満でしかないが、それで
もかなり優れた近似値が得られることがわかる。
8.5.1 特異値分解
実数の対称行列は、固有値分解ができるという非常にすばらしい性質がある。特異値分解は、固有値分解
よりも一般性の高いアプローチで、固有値分解と同じように、1 つの行列をベクトルで定義された他の行列
の総和に変換できる。
特異値分解は、n ×m の実行列 M を、それぞれ次元が n ×n, n ×m, m ×m の 3 つの行列 U, D, V に分
解する。この分解は、式で表すと次のようになる
*
3
M = UDV
T
*
3 M に複素数が含まれる場合、特異値分解は M = U D
V
∗
に一般化される。V
∗
は、 ...