
3.5 クラウドソーシング 75
ポン
ドと正解にきわめて近いことに気付いた。ゴルトンの実験から考えると、ある種の分析では、1 人の専
門家に尋ねるのではなく、多種多様な人々に参加してもらう方が良い結果が得られるのではないだろうか。
特に人間の認識、知覚に関連した分析では、クラウドソーシングはモデルを構築するためのデータの重要
な供給源になっている。人間は、自然言語処理やコンピュータビジョンの分野では今でも最先端システムで
あり続けており、最も高い成績を収める。訓練データの収集では、人手を使って特定のテキストや画像のス
コアを付けるのが最良の方法になる場合が多い。これを大規模に実施して精度の高い訓練データを作るため
には、膨大な数のラベル付けを行う人が必要になる。文字通りクラウド、すなわち集団である。
ソーシャルメディアなどの新しいテクノロジーの登場により、人々の意見を大規模に集めて集計すること
は従来よりもずっと簡単になった。しかし、集団の知恵と暴徒の叫びを区別するためにはどうすればよいの
だろうか。
3.5.1 1 セントコインの例
まず、自ら集合知実験をしてみることにした。図 3 -4(左)は、私がオフィスで何年もかけて貯めた 1 セ
ントコインを入れた瓶の写真である。この瓶に何セント入っているだろうか。ここで読者は自分でも答えを
予想してほしい。答えは次のページで明かすつもりだ。
正解を出すために、私は共同研究者で生物学者の Justin Gardin に頼んで、研究所の正確な測定器で瓶の
中のコインの重さを測ってもらった。その値を ...