
6.2 可視化の審美眼の育成 151
6.2.1 データインク比の最大化
どのようなグラフでも、印刷のインクの一部は実際のデータを表現するために使われるのに対し、その他
の部
分はグラフィック効果のために使われる。一般に、可視化はデータ自体を示すことに力を入れるべき
だ。本書では、データインク比を次のように定義する。
データインク比 =
データに使われるインク量
グラフに使われる総インク量
図 6 -5 は
、性別ごとに平均給与を示したグラフ(アメリカ労働統計局、2015 年)で、この概念を明らかに
するために役立つ。あなたはどちらの表現の方が良いと思うだろうか。左側のイメージは、「かっこいいね。
どうやったらその影だとか 3 次元的な効果だとかを作れるの?」 と言っているのに対し、右側のイメージ
は、「へー、女性は本当に収入分布のどこをとっても給料が安いんだね。でも、カウンセラーだけどうして
差が小さいんだろう?」 と言っている。
データインク比を上げればデータが語ってくれるようになる。そもそも、可視化とはそういうことだ。右
側のフラットな表示の方が棒の高さを公平に比較でき、男性の方が女性よりも優れているかのように見え
る。色は、男女を同じ条件で比較できるようにするために効果的に機能している。
その気になれば、データインク比はもっと上げられる。そもそも棒はなぜ必要なのだろうか。適切な高さ
に点をプロットしていけば、同じ情報を伝えられる。そして、ここに示された 8 個の点よりも多くの点をプ
ロットすれば、明らかにもっと効果的なグラフになる。小さくすればもっとデータを見せられることに気付 ...