
5.2 分布からのサンプリング 121
• 両対
数グラフで描くとべき乗則分布は直線になる:図 5 -7(右)の都市の人口のグラフを見てみよう。
データがまれになる端の方では隙間が空いているが、点はおおよそ直線上に並んでいる。これがべき
乗則分布の最大の特徴である。ちなみに、この直線の傾きは α、すなわちべき乗則分布の形を定義す
る定数によって決まる。
• 平均を出しても意味がない:ビル・ゲイツが 1 人いるだけで、アメリカ人の平均資産は約 250 ドルも
上がってしまう。これは異常だ。べき乗則分布のもとでは、無限の資産を持つ人間が生まれる可能性
がごく小さいものの 0 ではない確率である。では、それが起きたとき、平均はどうなるだろうか。そ
のような分布では、観測値の平均値よりも中央値の方が性質がよくわかる。
• 標準偏差では意味がない:べき乗則分布では、標準偏差は一般に平均以上になる。そのため、µ と σ
では、分布の性質はあまりつかめない。α と c の方が、べき乗則分布の性質をよく示す。
• 分布はスケール不変になる:図 5 -7(左)では、アメリカの人口が多い方から約 300 番目までの都市
を取り上げたが、人口が 300 位の都市から 600 位の都市のグラフを描いたらどうなるだろうか。グ
ラフの形はほぼ同じようになり、300 位の都市が下位の都市を圧倒することになる。あらゆる指数関
数はスケール不変であり、グラフの目盛りの刻みを変えても同じような形になる。両対数グラフにす
ると直線になるのはそのためである。グラフのどの一部を切り取ってもそれは直線の線分になる。そ ...