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UXデザインに従事している私は、もちろん今まで数多くの言葉を紡いできました
が、それよりもはるか昔から、言葉を愛していました。自分の世界を表現すること、
そして相手に伝えることを手伝ってくれる、長年連れ添ってきたパートナーです。
言葉を使うこと自体は、識字率の高い日本では簡単に思えるかもしれませんが、突
き詰めると非常に難しいものです。みなさんも、この世に生まれ、成長する過程で言
葉を獲得してからは、息を吸うように使ってきたことでしょう。どんな言葉を使おう
と考えなくても、「とりあえず」で出せる言葉もありますよね。そんな当たり前のよ
うに使っているものだからこそ、改めて使い方を見直すことは、非常に難しく、根気
が必要なことです。簡単だけど難しい。この相反する面があるからこそ、私はその面
白さに魅了されているのです。
同じ内容を伝えるだけでも、言葉の選び方にはとてつもない数の選択肢がありま
す。その豊かさが、私はとてつもなく美しいと感じているのですが、豊かさがゆえに、
人を悩ませるのです。生み出す悩み、選ぶ悩み。時には、悩むことすら諦めて「とり
あえず」で使うことも…! 十分に生み出せないと選ぶこともできませんし、適切に
選ぶことができないと、相手がすんなり受け取れない言葉になってしまいます。
伝えるための言葉を紡ぐという営みは、読み手への思いやりだと思っています。例
えるなら、言葉を届けることは道案内であり、どれだけ丁寧に道案内できるかを、言
葉の選び方が左右しています。道案内とは、道順を伝えることだけではありません。 ...