
2
1
章
Why
:ユーザーと組織のゴールを達成する
ルとは、体験に関する責任を負う組織のゴールと、その体験を利用するユーザーの
ゴールである。
1.1
ユーザーと組織のゴールを一致させる
架空の組織、TAPP交通システムのゴールを例として考えてみよう。TAPP交通
システムは、とある都市の地域交通機関だ。TAPP社は他の交通システムと同様に、
コストを削減し、その効果を実証しなければいけないという、絶え間ないプレッ
シャーにさらされている。また、車両を維持し人件費を払うための経費を、運賃や税
金で賄う必要があるのだ。
TAPP社は、まずは一度バスに乗ってもらうことが重要だと考えているが、それ
だけでは十分ではない。ユーザーがリピーターとなり、政治的な選択を通して交通シ
ステムを支えてくれるように、住民との関係を築く必要がある。交通システムは、乗
客を繰り返し巻き込んで好循環を確立する必要があるのだ。
組織が人々を惹きつけると、サイクルが始まる(図1-1)。そして集まった人々を説
得し、体験を利用することを決断させる(コンバージョンを得る)必要がある。しか
し、体験を提供するのであって単に売りつける訳ではない。その体験を良いものにす
るために、体験の流れにユーザーを乗せて定着させる(オンボーディングを行う)必
要がある。そうすれば、ユーザーを体験に惹き込むことができるのだ。
トラブル
発生
変
化
惹
き
つ
け
る
コ
ン
バ
ー
ジ
ョ
ン
オ
ン
ボ
ー
デ
ィ
ン
グ
エ
ン
ゲ
ー
ジ
メ
ン
ト
サ
ポ
ー
ト
図
1-1
組織から見た体験の好循環。一番上からスタートして、ま