
インフラストラクチャのためのソフトウェア工学プラクティス
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章
イ ン フ ラ スト ラ ク チ ャ の た め の
ソ フト ウ ェ ア 工 学 プ ラ ク テ ィ ス
Infrastructure as Codeを成り立たせているのは、ソフトウェアを実行するために使われるシステム
やデバイスは、それ自体もソフトウェアであるかのように扱うことができるという考え方である。この
ように考えると、ソフトウェア開発の世界で効果が実証されてきたツールや作業プラクティスが利用で
きるようになる。この章では、多くのチームがインフラの開発、メンテナンスでうまく機能することを
実感してきたソフトウェア工学的プラクティスをじっくりと検証していく。
この章で取り上げるソフトウェア工学的プラクティスのメインテーマは、システムに品質を組み込む
ことだ。品質は開発から切り離されたプラクティスではなく、システムが構築されたあとのテストと片
付けられるようなものではない。品質は、インフラストラクチャデベロッパを含むデベロッパたちが、
システムを計画、設計、実装、デリバリーするときに密接不可分な一部として含まれていなければなら
ない。
ソフトウェアとインフラストラクチャの開発に品質を組み込むための原則を少し挙げておこう
*
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早い段階で動作し、役に立つコードのデリバリーを始める。
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小さいけれども役に立つ進歩をデリバリーし続ける。
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その時点で必要なものだけを作る。
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個々の追加機能は、できる限り単純に構築する
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個々の変更の設計、 ...