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「いらっしゃいませ。香水をお探しですか?」
マイケルは、高級ブティックの香水コーナーで、20代と思しき
店員に声をかけられました。
しかしながら、彼は決して香水を探していたわけではありません。
そこにいた理由は、妻であるキンドラの買い物に連れ添っていただ
けであり、彼自身は「買い物」とつく行為は一切しないため、財布
すら持っていない可能性があります。間違いなく香水を使うような
人でもありません。
そうとも知らず、店員は商品が飾られている上段の棚から、紺と
白の縞模様の箱をそっと取り出してきました。
「こちらは当店で一番人気の商品です」
そう言うと、店員は指で箱を優しく包みました。マイケルとキン
ドラは身構えました。望んでいないのに香水を振りかけられるので
はないかと思ったからです。
しかし、店員は箱を開けようともしませんでした。ただ閉じたま
まのパッケージをガラスのカウンターの上に置き、話しはじめます。
「こちらは、エイト&ボブと言います。1937年、あるハンサムな
アメリカ人の大学生が、フランスのリビエラを旅行していました。
ある日、青年は町を出歩いたときに、アルベール・フーケというフ