
147
強力に鷲づかみする 5 個のアプローチ
〜信頼の壁を越える「3 分」の世界〜
章第
3
あなたははじめて訪れた街で食事をしようと思ったとき、どのよ
うに飲食店を探しますか?
アプリやインターネットで検索したり、ガイドブックを見たり、
その地域に詳しい知り合いに聞いたり、いろいろな方法があるでしょ
う。はたして、そのように行き先を決めた場合、あなたはそれを「自
分で決めた」と言えるでしょうか?
アプリなら、実際にその店で食事をした人たちのクチコミや評価
を参考にしています。ガイドブックなら、その記事を書いた人の意
見を取り入れています。詳しい知人に聞いた場合は、その人の情報
をもとに意思決定をしています。
つまり、多くの人は、「自分の行動は自分で決めている」と思い
込んでいますが、実のところ、他人の考えに強く影響を受けている
のです。
このように、他人が何を正しいと考えているかを基準にして物事
を判断し、その後の行動を決める心理のことを
「社会的証明の原理」
と言います。この原理は、アメリカを代表する社会心理学者のロバー
ト・B・チャルディーニにより、著書『影響力の武器』(社会行動研
究会訳、誠信書房)の中で提唱されました。
なお、この影響力は「自分自身の考えに確信を持てないとき」あ
るいは「状況が曖昧なとき」に顕著に表れます。私たちはそうした
不確実性の高い状況に置かれると、特に他の人たちのやり方に従い
やすいのです。