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2章 一貫性のデザイン
3種類のデザインアプローチを実際にどう使っていくかを議論するための土台
作りとして、まずそれぞれのアプローチに個別に注目し、既存製品の中でどう適
用されているかという事例を提示した上で、デザイン上のキーとなる知見を抽出
していきたいと思います。後の章では、これらの異なるアプローチがどのように
共存しつつ混ざり合うことで、よりリッチなエコシステムの体験、つまりより広
いコンテキストから構成され、より広いユーザーの要求を満たすような体験を構
築できるかを論じます。こうした体験の基礎ができれば、モノのインターネット
(IoT)の世界へとさらに翼を広げることも可能になるでしょう。あらゆるものがつ
ながった世界のもたらす新たな機会を分析するとともに、新たに生まれる問題や、
その問題をどう乗り越えればこれまで以上に革新的で、創造的で、素晴らしい体
験が作り上げられるかを見ていきましょう。
これら 3 種類のマルチデバイスへのアプローチを具体化し、自身のデザインプ
ロセスやデザイン思考へと組み込んでいくことで、ユーザーにとってより優れた
体験を構築できるようになるでしょう。それはつまり、空間と時間、デバイスと
物、デジタル世界と実世界にまたがりつつも、UXの中核を成す「人間」に対して真
摯に向き合うということです。人間に焦点を当て、その人たちのニーズやゴール
を中心に据えれば、その他のことは自ずとついてくるはずです。この基本的な概
念は、技術がどれだけ発展しようとも決して変わることはありません。
2.1 一貫性のデザインとは何か?
一貫性のデザインは、現在最も広く利用されているマルチデバイスの手法です。
同じコンテンツと機能を含む同一の本質的な体験が、異なるデバ ...