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6章 コアデバイスを超えて
6.3.1.3 デザインレッスン:データからの(実行可能な)知識の抽出
Nestは適応的デザインによる製品の好例です。Nestでは利用者の行動パターン、
嗜好、行為、そして使用状況を常に収集することで、システムがユーザーを「理解
する」ようになります。そして、抽出された知識に基づいて、ユーザーのさまざま
な状況におけるニーズに合わせて体験を常に微調整することにより、Nestは自身
を適応させることができるのです。このようなコンテキストアウェアネスは、漸
進的学習とともに、IoTというビジョンの重要な要素になります。つまり、このア
プローチにより、デバイス間の単純なデータの収集から、有用な情報の抽出へと
大きくジャンプアップしたことを意味しています。それによりシステムが自立的
に働いて、私たちの生活を豊かにしてくれるのです。
次の章では、それ自体重要な課題である、マルチデバイスにおけるデータ収集
と分析について説明しますが、データ自体はただの手段であることを覚えておい
てください。つまり、積極的にユーザーの目的達成を支援できるように、データ
をなるべくインテリジェントかつシームレスな方法で人間にとって実行可能な形
にすることが最も重要なのです。この意味でも、Nestは、データをユーザーに伝
えるだけではなく、データを有効活用することで、適応的にコンテキストに応じ
た振る舞いを実現し、よい体験を提供した好例と言えます。
6.3.2 スマートフォンの拡張:BiKN
BiKN(図 6-5)は、iPhoneを使って探しものを助ける、もしくは iPhone そのも
のを探すことができる製品のエコシステムです。BiKNは、キーリングサイズのタ
グのセットと、それらと無 ...