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4章 補完性のデザイン
Slingboxを使うと、ユーザーはノートPCやタブレット、スマートフォン、もし
くは他のネットワークデバイスから自宅のテレビをいくつかの方法でコントロー
ルできます。第一に、ユーザーは携帯電話をテレビリモコンのように使うことが
でき、チャンネルを変えたり、音量を調節したりすることが可能です。加えて、
Slingboxにはさらに強力な機能が備わっています。エコシステムのデバイスであ
ればどれを使ってもリモートでSlingboxに録画する番組を選ぶことができるので
す。ということはつまり、ユーザーが友達と外で飲んでいるときに、自分の好き
な番組があと 10 分で始まるということを突然思い出した場合でも、自分の携帯電
話かタブレット(自分がその時持っているものでよい)を取り出して、その番組の
録画予約をすればよいのです。
さて、Slingbox の事例はこれまで見てきた事例と本当に違うものなのでしょ
うか?
答えはイエスです。
デバイスがお互いにインタラクションを起こす(すなわちお互いを補完する)エ
コシステムとして初めて、Slingboxは同時に操作する必要がない体験を示したの
です。同じ部屋にある必要すらありません。これは初めての体験です。
これによってエコシステムの可能性が時間と空間を超え、エコシステム内の非
同期な関係性という世界が開け、理論的には無限に続くことになるでしょう。対
して、協力プレイのゲームやセカンドスクリーン体験はすべてのデバイスを同時
に同じ場所で動かす必要があり、体験もデバイスがアクティブな期間だけしか続
きません。Slingboxのデザインアプローチでは、体験がこうした空間/時間の制
約に縛られることはありません。
4.4.2 ...