
事例
フォーム要素はどのようにしていまの姿かたちに落ち着いたのか
[図 1-1]
。フォー
ム要素は、実世界で慣れ親しまれてきた制御盤が原型となっている。そうすること
で、フォーム要素のメンタルモデルができあがっている。トグルやラジオボタン、
ボタンでさえ、その先祖は物理的に触れる制御盤で、それぞれの要素のふるまいと
働きについての概念モデルが宿っている。要素が持つ「アフォーダンス」
*3
、つまり、
それがユーザーからして何ができそうなものなのか、とちゃんと頭の中で関係づけ
メンタルモデルとは、システム、特にそのふるまいについて、わたしたち自身が
どう理解しているかという概念のことだ。ウェブサイトのようなデジタルのシステ
ムであれ、スーパーマーケットのレジ待ち行列のような実世界のシステムであれ、
システムがどう働くか、というモデルをわたしたちは頭の中に構築している。そし
てそのモデルを、似ているが直面したことのない状況に応用している。つまり、過
去の経験から得た知識によって、新たなものごととやり取りするのだ。
メンタルモデルは、デザイナーの武器になる。メンタルモデルに沿ったユーザー
体験は、より良いものになるからだ。ユーザーのメンタルモデルに沿うには、他の
プロダクトや他での経験で得た知識を持ち込めるようにすれば良い。プロダクトや
サービスのデザインがユーザーのメンタルモデルに沿うものとなったとき、はじめ
て良いユーザー体験が実現できる。デザイナー自身のメンタルモデルとユーザーの
メンタルモデルの間に隔たりがあるとき、 ...