
概要
数百万年にわたる進化によって、人類は信じられないほど洗練された視覚と認知
処理のシステムを手に入れた。わたしたちは一瞬のうちに対象を識別でき、他の生
物より優れたパターン処理能力を持ち、また細かな違いを見分ける能力を生まれつ
き持っている
*1
。これらの特性は、人類の生存に役立ってきたし、いまでもわたし
たちの世界の認識や処理の仕方に影響を与え続けている。わたしたちの集中力は、
達成しようとする目標だけでなく、こうした本能的な能力にも左右されている。
これらの能力は、情報を記憶に保存する方法や、あとでものやできごとを思い出
す能力にも影響を与えている。一般的に認知は想起
(思い出すこと)
よりも優先される。
興味深いことに、デジタルインターフェースにおいてはコントラストの強い要素の
ほうがより早く注意を引く傾向にある。デザイナーにとっての主要課題は、ユーザー
フォン・レストルフ効果
von Restor Eect
8
CHAPTER
似たものが並んでいると、その中で他とは異なるものが記憶に残りやすい。
重要な情報や操作を視覚的に目立たせよう。
視覚的な要素を強調する際には、互いに競合したり、目立ちすぎて広告だと勘
違いされたりしないように抑制をかけよう。
コントラストを伝えるのを色だけに頼ると、色覚障がい者やロービジョン(弱
視者)を排除することにつながる。
コントラストを伝える上で動きを採用する際には、動きに対し敏感なユーザー
に配慮しよう。
ポイント
*1 原注:Mark P. Mattson, ...