
結論
ヤコブの法則は、すべてのプロダクトや体験が完全に同じでなければならない、
という意味で同質化を提唱しているわけではない。むしろ、ユーザーが新たな体験
を理解するためには過去の経験を活かす必要がある、ということをデザイナーが心
に刻むための原理原則だ。ユーザーがウェブサイトやアプリのふるまいを学習する
のに手間取らず、すぐにやりたいことに取り掛かれるようにする。そのためにデザ
イナーは、既存のメンタルモデルに関連した一般的な慣例を検討すべきだ。ヤコブ
の法則は、そう示唆している。ユーザーの期待に沿ったデザインにすることで、ユー
ザーはいままでの経験から得た知識を活かせるし、この慣れのおかげでユーザーは、
欲しい情報を見つけ出す、商品を購入する、といった大事なことに集中できるよう
になる。
ヤコブの法則からわたしが助言できることとしては、まずは常にありふれたパ
ターンや慣例から始め、その後、うまくいきそうなときだけ慣例から離れるのが良
い、ということだ。ユーザー体験の最も大事な部分を良くするために慣例とは異な
るものを作らざるを得ない、という思いが強くなれば、それこそが探究を始める良
い兆しだ。慣例から逸れた道を歩むのであれば、デザインをユーザーテストにかけ
て、ふるまいがユーザーに理解されるかを確かめよう。
との差別化になることもある。しかし、デザイナーは独創的である前に、ユーザー
のニーズや文脈、それと技術的な制約を常に考えて最適な方法を選び抜かないとい
けない。そして、ユーザビリティを犠牲にしないように注意しないといけない。 ...