
概要
ユーザーにとって良い体験をデザインするということは、人間にとって良い体験
をデザインするということだ。人は機械のようにふるまうわけではない。わたした
ちは、自分が接するプロダクトやサービスが自分のことを直感的に理解してくれて
いて、寛容であることを期待している。また、常に自分がコントロールできている
と感じたがり、必要以上の情報を求められるとイライラしてしまう。一方で、わた
したちが使用するデバイスやソフトウェアは、サポートしている機能も、性能も、
大きさや形も大きく異なる。だからデザイナーは、ユーザーの期待に応えるために、
堅牢でありつつ融通がきくプロダクトやサービスを構築しなければならない。ロバ
ストネス
(堅牢性)
の原則としても知られるポステルの法則は、規模と複雑さの両方
を考慮して人間中心の体験設計をするための原理原則を教えてくれる。
ポステルの法則の前半部分は「出力するものに関しては厳密に」と言っている。
ポステルの法則
Postel’s Law
5
CHAPTER
出力は厳密に、入力には寛容に。
ユーザーのあらゆるアクションや入力に、寛容、共感、柔軟さを持って対応し
よう。
ユーザーの入力内容、利用環境、スキルや知識について、実際に起こりうるあ
らゆるパターンを予測することで、信頼性やアクセシビリティが担保されたイ
ンターフェースを提供しよう。
予測・対応できることが多ければ多いほど、デザインはより柔軟になる。
ユーザーからの多様な入力を受け入れよう。システムの要求に合うように入力
を変換して入力内容を明確に解釈し、 ...