
もう1つの例として、モバイルデバイスやブラウザにおいて、デフォルトの文字
サイズをカスタマイズできる機能がある。この機能はユーザーが画面表示を調整で
きるようにするもので、例えばアプリケーションやウェブサイトのすべてのテキス
トサイズを大きくしてアクセシビリティを向上させられる。しかし、文字サイズが
大きくなる可能性、特にそれによるレイアウトやテキストの余白への影響を考慮で
きていないデザインの場合、この機能を使うと問題が発生する可能性がある。いわ
ゆるアダプティブデザインはこの機能を考慮して、うまく対応するものだ。例えば
Amazonは、ウェブサイトのヘッダーナビゲーションにおいて文字サイズのカスタ
マイズに見事に対応している
[図5- 6]
。このデザインは、検索バーの下にあるクイッ
クリンクを重要度別に整理し、文字サイズが大きくなるにつれて重要度の低いリン
クを削除することで、文字サイズのカスタマイズに対処している。
結論
ポステルの法則は、人と機械の間のギャップを埋めるのに役立つ。人による様々
な入力を寛容に受け入れ、それを構造化された、機械にやさしい出力に変換するシ
ステムを設計すれば、ユーザーに負荷をかけず、より人間的なユーザー体験が保証
される。これにより、規模や複雑性の増大にも耐えうる、堅牢で適応性の高いプロ
ダクトやサービスを構築できる。一方でエラーの可能性も高まるが、それを予測し
計画を立ててデザインすることで、よりレジリエンスの高いシステムとなるだろう。
図5- 6 Amazon.com