
CHAPTER 9
事例
テスラーの法則を示すよくある事例として、ちょっとした
E
メール送信を考えて
みよう。メールには、差出人と宛先の
2
つの情報が必要だ。どちらが欠けても
E
メー
ルを送ることはできないため、これらは必要不可欠な複雑性である。この複雑性を
減らすため、最近のメールアプリでは
2
つのことが行われている。差出人を事前に
入力しておくことと
(あなたのメールアドレスを知っているのでできる)
、そして宛先の入力
開始時に、過去のメールやあなたの連絡帳から宛先の候補を予測することだ
[図 9-1]
。
複雑性が消えてなくなったわけではない。ただ、ユーザーの負荷を減らすためにそっ
と取り除かれただけだ。つまり、差出人と宛先のアドレス入力という複雑性を、ユー
ザーの代わりに引き受けるようなメールアプリをデザイン・実装することで、メー
ルを書く体験を少しだけ楽にしている。
な問題の理解が足りていない兆候だ。より時間を使って観察と経験から問題の理解
を深め、根拠のない仮定や複雑すぎるデザインを回避しよう。
図9-1 最新のメールアプリは、差出人を自動的に入力し、過去のメールに基づいて「宛先」をサジェストする
ことで複雑性を軽減している。
出典:Gmail、2023年
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