
デジタルのプロダクトやサービスに接したユーザーは、まずそれがどう動くのか
を理解し、そして、求める情報をどう探すかを決めなければならない。ナビゲーショ
ンの使い方を理解し
(場合によってはナビゲーション自体がどこにあるかを見つけるところから
だ)
、画面構成を把握し、UI要素を操作し、フォームに入力する、という行為のす
べてに思考のリソースが求められる。しかもその間ずっと、「そもそも何をしたかっ
たのか」を覚えておく必要がある。これは、インターフェースの使いやすさという
意味では、かなりの難事だ。このインターフェースの理解とインタラクションにか
かる思考のリソースの総量を認知負荷と呼んでいる。
認知負荷については、スマートフォンやラップトップのメモリにたとえるとわか
りやすいだろう。アプリケーションを起動しすぎると電池の減りが早くなり、動作
が遅くなり、最悪の場合、落ちる。使える処理能力の総量がパフォーマンスを決め
ており、この処理能力の総量は、有限なリソースであるメモリに依存している。
わたしたちの脳の働きも同様だ。入ってくる情報の総量が使用可能な容量を超過
すると、わたしたちの思考はついていくだけで精一杯になる。タスクは難しくなり、
細部を見落とすようになり、いっぱいいっぱいだと感じるようになる。わたしたち
のワーキングメモリ、つまり、やろうとしているタスクに関連する情報を格納する
バッファスペース
[図3−1]
には、情報を格納するための決められた数のスロットが
ある。もし、やろうとしているタスクが、空きスペ ...