
概要
わたしたちが過去のできごとを思い出すときには、面白いことが起きている。経
験の全体を思い起こすのではなく、感情のピークと終わりの瞬間
(それがポジティブで
あってもネガティブであっても)
に焦点を当ててしまう傾向があるのだ。言い換えると、
わたしたちは、人生の一つ一つの経験を、いくつかの主要なスナップショットの連
なりとして記憶しており、決して包括的なイベント年表として記憶しているわけで
はない。わたしたちの心の中では、最も感情が高まった瞬間と最後の瞬間に感じて
いた気持ちが経験全体に広げられ、あとからその経験を思い出したときに、もう一
度やりたいと思うか、他の人にすすめたいと思うかを大きく左右する。「ピークエ
ンドの法則」として知られるこの現象が教えてくれるのは、ユーザーが経験全体を
ポジティブに評価してくれるようにしたければ、これらの重要な瞬間に細心の注意
を払うべきだということだ。
ピークエンドの法則
Peak-End Rule
6
CHAPTER
経験についての評価は、全体の総和や平均ではなく、ピーク時と終了時にど
う感じたかで決まる。
ユーザージャーニーの中で最も重要な瞬間(ピーク)と最後の瞬間(エンド)に細
心の注意を払おう。
エンドユーザーを喜ばせるためには、プロダクトが最も役立つ瞬間、最も価値
がある瞬間、あるいは最も楽しい瞬間を見定めてデザインしよう。
人はポジティブな経験よりも、ネガティブな経験をより鮮明に思い出すことを
心に刻んでおこう。
ポイント
090