
CHAPTER 1
これまで見てきた事例から、すでに存在するメンタルモデルを活かせば、ユーザー
はすぐに取り掛かれることがわかった。一方で、これまで築き上げてきたメンタル
モデルを考慮できていないと混乱やいらだちにつながるかもしれない。だとしたら、
ヤコブの法則は、すべてのウェブサイトやアプリが同じく動作すべきだと示唆して
いるのだろうか。また、もっとふさわしいやり方があったとしても、おきまりのパ
ターンだけを使うべきなのだろうか。
あなたはこう思っているに違いない。もしすべてのウェブサイトやアプリが同じ
デザインの慣例に従ってしまうと、みんなつまらないものになってしまう。あらゆ
る状況に、それに対応した慣例がすでにあるという今日の状況を踏まえると、これ
は全く妥当な懸念だ。同質化の進行には、いくつかの理由がある。開発速度が向上
するから。フレームワークが普及したから。成熟したデジタルプラットフォームが
標準化を後押ししているから。戦略的に、こぞって競合と同質化しようとするから。
単に創造性が欠如しているだけ、という場合もある。これら同質化の多くはデザイ
ンのはやりにただ従っているだけかもしれないが、検索の配置場所、フッターでの
ナビゲーション、会計フローのステップのように、デザインの慣例に従ったパター
ンが存在するのには理由がある。
もしそうなっていなかった場合について考えてみよう。あなたが使ってきたすべ
てのウェブサイトやアプリで、レイアウト、ナビゲーション、スタイル、検索機能
の場所など、何から何まで全くバラバラだとしよう。メンタルモデルの考え方によ ...