
ソフトウェアをデザインするにあたって考慮すべき重要なことがある。ユーザー
は、マニュアルなど読まず、すぐにソフトウェアを使い始めるということだ。大抵
のユーザーは目先のタスクを片付けたいと思い、ドキュメントを読む時間をはじめ
にとろうとはしない。もちろん、これはパラドックスだ。最初に時間をかけてシス
テムを学習して最適化することは、長期的にはユーザーにとっての時間節約につな
がる。
このパラドックスは1987年にメアリー・ベス・ローソンとジョン・キャロルによっ
てはじめて紹介され、IBMユーザーインターフェース研究所で行われたいくつかの
ユーザースタディで共通して見られた観察結果を説明するために用いられた
*7
。彼
らが発見したのは、新しいユーザーは結果としてエラーに遭遇したり、障害にぶつ
かることになったりしても、コンピューターに付属するマニュアルを読まずにすぐ
使い始めるということだった。
ここでの教訓は、理想化された合理的なユーザーを想定してプロダクトやサービ
スを作らないように注意することだ。現実では人々が常に合理的にふるまうわけで
はない。代わりに、ユーザーがプロダクトを利用しながら使い方を学べるようにし
よう。そうすればこのパラドックスを乗り越えられる。例えば、ツールチップに役
立つ情報を表示する。こうすればアクティブな新規ユーザーがどんな順番で使い始
めていても、その使い方にあったプロダクトになるだろう。
アクティブ ユーザ ーの パラドックス
重要な論点
*7 原注:Institute.John ...