
チョコレートとココア脂 肪とテンパリング
チョコレートはおいしい。甘く、苦く、またナッツやフルーツやスパイスが
入っていることもある。チョコレートは喜びと楽しみ、そして人によっては落
ち込んだ気分に慰めをもたらしてくれる。どのように表現しても、おいしいこ
とには変わりない。いや実際、科学的にもそのおいしさは証明されている。こ
れまで、どんな文化に紹介されても例外なくチョコレートは受け入れられ、愛
されてきた。ベーコンにしてみれば、うらやましい限りだろう。
チョコレートの素晴らしさの一部に、食感とパキッと割れる性質がある。食
感は、チョコレートに含まれる糖分と脂肪を混ぜ合わせる方法(コンチングと
呼ばれる)と、ココア脂肪を溶かして冷やすテンパリング(冷却中にココア脂
肪が固まる結晶構造を特定のものにコントロールすること)によって決まる。
テンパリングされたチョコレートは、チョコレートトリュフのコーティングや、
乾燥アプリコットや新鮮ないちごなどのフルーツのディップ、そして焼き菓子
やキャンディーのコーディングに使われる。ひとつのこと、つまりトリグリセ
リドの積み重なり方を変えるだけで、これほど大きな変化が得られるのは驚く
べきことだ。
テンパリングを理解するには、チョコレートその
ものについて知ることが必要だ。非常に単純に言え
ば、チョコレートはココアバターとココア固形分か
らできている。これらは両方とも、
Theobroma cacao
という植物の実に由来する。甘味を加えるために砂
糖が、そして風味を加えるためにミルクやバニラな ...