
卵白
泡立てた卵白は、料理の世界の発泡スチロールのようなものだ。ケーキやワッ
フルやスフレでは隙間を埋め、レモンメレンゲパイのようなデザートでは断熱
材として働く。また調理しすぎると、まるで発泡スチロールのような味がする。
たとえ話はこれくらいにしておくとして、実際には卵白は非常に扱いやすいも
のなのだ。多少の注意を払って化学を理解し、少し実験してみれば、卵白の泡
立ては簡単にマスターできる。
泡立てた卵白は、液体の中に空気をとらえることによってフォームを形成し
ている。フォーム(発泡体)とは、固体または液体が気体の分散質を取り巻い
ている混合物のことをいう。つまり、気体(通常は空気)が液体または固体の
中に大きな空洞を作るのではなく、分散している状態だ。パンは固体のフォー
ムであり、泡立てた卵白は液体のフォームだ。
食品の化学的組成に依存するイーストや重曹、あるいはベーキングパウダー
とは異なり、卵白はそれ自身の物理的な性質を利用して空気を取り込む。機械
的な膨張剤(通常は泡立てた卵白だが、後で説明するように卵黄やホイップク
リームの場合もある)を料理に加える際には、それと共に加わる水分や脂肪の
影響も考慮しなくてはならない。この種の食材を加えると、小麦粉と水の比率
や、砂糖と脂肪の比率が変わってしまうことがあるからだ。
卵白を理解する鍵は、フォームそのものの働きを理解することにある。卵白
を泡立てると、変性したタンパク質の網目に空気の泡が捕らえられて、軽くふ
んわりとしたフォームになる。卵白を形成しているタンパク質の一部分は ...