
マルトデキストリン
マルトデキストリンはデンプンの一種で、水に簡単に溶け、マイルドな甘味
がある。製造の際には、スプレードライして凝塊形成し、顕微鏡レベルで非常
に多孔質な粉末を作り出す。この構造のため、マルトデキストリンは油脂に富
む物質を吸い込むことができ、食品をデザインする際に油脂が扱いやすくなる。
また水も吸収するため、乳化剤および増粘剤として、また油脂の代用品として
も使える。水を含むとべとついて、油脂の粘性と食感にそっくりとなる。
マルトデキストリンは粉末で油脂を吸収するため、たくさん使うと面白くて
普通と違ったものが作り出せる。油脂分の多い液体や固体を粉末に変えられる
のだ。十分な量のマルトデキストリンをオリーブオイルやピーナッツバターに
混ぜれば、粉末の形状をした、一種のコロイドとなる。マルトデキストリンは
水に溶けるので、油脂を取り込んだ粉末は口の中で溶解し、結果的に元の食材
が「溶け出して」、風味を放出することになる。マルトデキストリン自身にほ
とんど風味はない(わずかな甘味がある)ので、「粉末化」される食材の風味
を大きく変えてしまうことはない。
例えば、魚の上に振りかけてあった粉末が口の中でオリーブオイルに変わる
といった目新しさや驚きの他にも、固体であることが必要とされる食材に粉末
によって風味を加えることもできる。砕いたナッツをまぶしたチョコレートト
リュフを考えてみてほしい。風味と食感のコントラスト以外にも、砕いたナッ
ツは指でチョコレートガナッシュを溶かさずにチョコレートトリュフをつまめ ...