
保存料
多くの食品の保存に最も古くから利用された化学物質である塩は、先史時代
から使われており、古代ローマの大カトーによって紀元前
3
世紀にはハムの乾
式塩蔵に使われていたことが記録されている。保存料としての砂糖の使用も、
それに引けを取らない。ローマ人たちはハチミツを使った食料の保存も行って
いた。もうひとつの歴史的な保存料は酢であり、
pH
調整剤として使われてきた(こ
ういう言い方をすると、おいしそうに聞こえないだろうか?)。
化学保存料の基本的な目的は、微生物の生育を抑えることだ。食料の保存に
は燻製や乾燥など他の方法も数多く存在するが、化学物質の使用には必ずしも
風味を大きく変化させないという利点がある。ソーセージ、酢漬け、そしてフ
ルーツの砂糖煮などは、すべて化学物質を使って安全に食べられるようにした
ものだ。化学物質が微生物の生育を抑える方法には、細胞の機能を破壊する場
合(ソーセージに使われる亜硝酸塩のように)と、
FAT TOM
変数(
187
ペー
ジを参照してほしい)のいずれかを生育に不適な値に変えてしまう場合(酢を
使って酸性度を上げたり、フルーツの砂糖煮で砂糖を使って水分を減らしたり)
とがある。
病原体を殺し保存性を高める塩の働きは、食品に限られたものではない。人間
の大人の食塩の致死量は約
80
グラム、つまり典型的なレストランのテーブル
に置いてあるソルトシェーカーに入っている量とほぼ同じだ。聞くところによ
れば、塩を取りすぎると脳が膨らんで破裂するため、ものすごい苦痛に襲われ
るという話だ。それに加えて、手遅れになる前に緊急救命医が正しく診断を下 ...