
理由の如何に関わらず、われわれは年を取るに従って酸っぱい味を好むよう
になる。一部の食品(主にフルーツ)は、化学的にもともと酸味がある。レモ
ンなどの柑橘類に含まれるアスコルビン酸とクエン酸はフルーツを我慢できな
いほど酸っぱくするので、調理する方法を知らない草食動物に対する防御とし
て有効だ。りんごに含まれるリンゴ酸は、りんごにおいしい酸味を付け加える。
腐敗によって酸っぱくなる食品もある。ヨーグルトや酢、発酵ピクルス、キム
チやサワー種のパンなどは、すべて発酵によって作られる。発酵は、乳酸や酢
酸などの酸味を含む、おいしく腐敗した食品を作り出すための方法だ。
もちろん、「酸は酸っぱい」というルールにも例外や厄介な問題がある。酸
は水素イオンを提供する化合物だが、その化合物の別の部分が別の味覚受容器
にはまり込む場合がある。グルタミン酸にはうま味があり、ピクリン酸は苦く
感じられる。そして、酸味を感じる速度も酸の種類によって異なることがある。
これは、糖にも甘味をすぐに感じるものと、時間がかかるものがあるのと同じ
ようなことだ。酸味のある食品は、成分の化学的性質によって、酸味を感じる
までの時間や持続時間に違いがある。クエン酸は非常に速く検知され、バース
ト的な酸っぱい風味を与える。しかしリンゴ酸は、酸味を感じるまでの時間も
持続時間も長い。食品製造業者はこの性質を賢く利用して、複数の酸を組み合
わせることによって、時間と共に望ましい強さとなる酸味プロファイルを作成
している。
苦味
酸味と同じように、苦味も危険な食物(一般的には有毒植物)を避ける生物 ...