
4.
空気と水
/ Air and Water
室温やオーブンの温度に全く変化がなくても食品の加熱速度に大きな違いをも
たらす。湿度と生地を膨らませる時間、そして室温に注意深く気を配れば、パ
ンを焼く際のミステリーを解決することができるだろう。
パン作りに空気が重要となるもうひとつの理由は、食品の中で空気が物理的
体積を占めることだ。空気は、加熱されると膨張す
る。大部分のパンや焼き菓子は熱で「固まる」ので、
膨張する空気が多く存在すれば、それだけ焼いた後
にできるスペースも大きくなる。ただしそのために
は、内側の卵のタンパク質や外側の小麦粉デンプン
が十分に固まって、冷えた後にも全体をサポートす
るために必要な骨組みが作り上げられていなくては
ならない。
これからこの章では、生地へ空気を取り込む方法を説明して行く。膨張剤(イー
ストや重曹など、ガスを作り出すもの)を使うレシピでは、それらを使って小
さな泡(ほとんどの場合、二酸化炭素)を作り出して体積を増やしている。ポッ
プオーバーやメレンゲ、そしてスフレなど膨張剤を使わないものは、既に存在
するガスの膨張や、水分が蒸発してガスになることだけを利用して膨らませて
いる。いずれにせよ、空気を理解しコントロールすることが、おいしいパンを
焼くための科学の重要な部分だ。
水の化学と、
パンや焼き菓子作りへの影響
水は、すばらしく不思議な物質だ。水に関するトリビアはたくさんあり、そ
の中にはわかりやすいもの(気体になると体積が
1,600
倍から
1,700
倍に増える
ので、一部の焼き菓子を膨らませるために使われる)もあれば、想像をはるか ...