
4.
空気と水
/ Air and Water
焼き菓子作りの許容誤差
ペストリーやケーキでは、計量の許容誤差がパンや通常の料理の場合と比べ
てずっと狭い。小麦粉と水、砂糖と油脂の比率が少し違っただけでも、焼き菓
子の出来ばえが大きく変わってしまうことがある。
水が十分にないと、グルテニンとグリアジンからうまくグルテンができない。
これはスコーンやビスケットやパイ皮には良いが、パンのような高グルテン食
品には向いていない。しかし水分が多すぎるのも問題だ。パンに大きなエアポ
ケットができたり、ケーキがうまく固まらずに自重で崩れたりする。
同様に、クッキーやパイ皮を作る際にショートニングが本来の分量よりも少
ないと、グルテンができすぎて硬いパイ皮ができてしまう。しかしショートニ
ングが多すぎると、生地があまり膨らまずに「サクサク(
short
)」した仕上が
りになる。ショートブレッドという名前は、ここからきているのだ。
以下の
2
つのダブルクラストパイ生地のレシピを比べてみてほしい。
これら
2
つのレシピを比べてみると、小麦粉と油脂の比率が
1:0.71
および
1:0.76
と異なっており、またジョイ・オブ・クッキングのほうが水の割合が高いこと
がわかる。
しかし、バターはショートニングと同じではない。バターは約
13
〜
19%
が水分で、
約
1%
が乳固形分だが、ショートニングは油脂だけだ。これを考慮して、レシ
ピをもう一度見直してみよう。マーサ・スチュアー
トのバージョンは(
100g
の小麦粉に対して)
76g
の
バターを含み、 ...