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スクラム実践者が知るべき97のこと
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スクラム実践者が知るべき97のこと

by Gunther Verheyen, 吉羽 龍太郎, 原田 騎郎, 永瀬 美穂
March 2021
Beginner to intermediate
288 pages
5h 8m
Japanese
O'Reilly Japan, Inc.
Content preview from スクラム実践者が知るべき97のこと

01スクラムについて誰も教えてくれない5つのこと

マーク・ロフラー マーク・ロフラー

スクラムを使って仕事に変革をもたらそうと思っているあなたに、スクラムについて誰も教えてくれないことをちょっと伝えておこう。

1. スクラムは問題を解決してくれない

スクラムは銀の弾丸で、魔法のように問題を解決できると思っている人がいる。だが、スクラムのようなアジャイルプロセスは、肩越しにあなたのやることを見ている義理の母親のような存在だ。失敗や問題を見つけ出し、隠せないようにする。結局、しっかり働いて問題を解決するのはあなただ。

2. プロセスに従うだけではスクラムのメリットはない

本に書いてあるとおりにスクラムをやっているチームをたくさん見てきた。デイリースタンドアップ、スプリントプランニング、スプリントレビュー、レトロスペクティブ、そしてプロダクトバックログリファイメントまでやっていた。それでも、チームはスクラムのメリットをほとんど得られなかった。アジャイルはやり方ではなく、あり方であることをわかっていなかったからだ。アジャイルになるためには、プロセスを変えるだけでなく、マインドセットも変えなければいけない。アジャイルマニフェストの背後にある12の原則とスクラムの価値を受け入れることによってのみ、スクラムは本当の力を発揮する。

3. 「スクラムになるスイッチ」なんてものはない

会社の従業員を全員2日間の認定スクラムコースに送り込んでも、スクラムの会社になったりはしない。会社が一晩でアジャイルになり「スクラム」をやれるようになる、みたいなスイッチは存在しない。スクラムのプロセスの説明は簡単そうに見える。だが見た目と実際は違う。スクラムの導入は難しい。学ぶことはたくさんある。やらないで済ませられる仕事を最大化すること、既存のミーティングを廃止すること、リリース可能なプロダクトをスプリントごとに用意すること、難しい組織課題に取り組むこと。まだまだある。スクラムに「スイッチ」することはできる。だが、それは切り替えではなく、何か月、何年もかかる漸進的なプロセスだ。終わりのない物語だ。 ...

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