16フローフレームワークによる組織全体へのスクラムのスケーリング
| ミック・カーステン | ![]() |
スクラムは身に付いている。組織には、作業やデリバリーを組み立てる強力な方法を活用できるような幅広いプラクティスやツール、トレーニングがある。では、なぜ大きな組織の大部分が、個々のチームを超えてスクラムの利点を組織に拡げていくのに苦労しているのだろうか? ビジネスやITのリーダーと何度もミーティングをした結果、同じ結論に至った。スクラムの言葉とプラクティスをビジネス側に拡げるのに失敗しているのだ。代わりに、リーンシンキングを組織全体に適用できるように、アジャイルのプラクティスをビジネスの言葉と結び付けなければいけない。
ビジネスリーダーとエンジニアのあいだには、言葉と文化の両方の壁がある。ビジネスの文化では収益やコスト、顧客の観点で話をする。スクラムの文化ではユーザーストーリー、イテレーション、顧客の観点で話をする。土台にある概念が両者を結び付ける。顧客に価値を届けることに集中するというものだ。この問題は、スクラムとビジネスの言葉や文化を翻訳するために作られた組織的なレイヤーに起因する。一般的に、ビジネス側はこのギャップを埋めるためにプロジェクトマネジメントのプラクティスを適用する。これは重大な間違いだ。
スクラムの周りにプロジェクトマネジメントのレイヤーをかぶせてしまうと、ウォーターフォールプロセスに逆戻りしてしまう。このような間接的なレイヤーと、それに関連した受け渡しによってスクラムチームとビジネスを切り離してしまうのは、スクラムの目的を損なうものだ。だが、ビジネスリーダーが数千人のスタッフを管理するのにアジャイルチームのプラクティスを直接適用しようとするのも、同じように無駄なアイデアだ。プロダクトオーナーが両方の世界を橋渡しできるように成長するだけでなく、スクラムでの働き方とビジネス側が理解できる言葉をつなげる新しい管理モデルが必要になる。 ...
