March 2021
Beginner to intermediate
288 pages
5h 8m
Japanese
| ステイン・デクヌート | ![]() |
スクラムは複雑なプロダクトを開発、維持するためのフレームワークだ。残念ながら、複雑という言葉の持つ意味については多くの誤解がある。いちばん一般的で、同時にいちばん深刻な問題は、複雑なものを(単に)込み入ったものと勘違いすることだ。
大変かもしれないが、込み入った問題はルールやレシピで解決可能だ。十分に分析すれば、賢い人たちは明快なソリューションを実現できる。一方で、複雑な問題は根本的に異なる。とてつもなく多くの要素が絡み合っていて予測不能だ。したがって、約束されたアウトカムを期待して、ルールやプロセス、ベストプラクティスを活用して複雑な問題に取り組むのは不可能だ。
何世紀にもわたって、経験主義は人間が複雑な問題を扱うときの最善のメカニズムだと証明されてきた。経験主義は、生物の学習プロセスにおいても不可欠だ。試行錯誤による経験的な学習プロセスがなければ、食べたりしゃべったり読んだりといったことも身に付かなかっただろう。継続的な経験的適応がなければ、進歩はかなわなかっただろう。スクラムが提供してくれるのは、まさにこの経験的プロセス制御である。
複雑な問題に遭遇したとき、事前の分析や計画は何ら成功を保証してくれない。思い込みの戦術を捨てて、自分たちの経験から学ぶ能力を信頼し、すばやく頻繁に学習しなければいけない。自分たちの専門性、経験、人間としての学習能力の組み合わせに頼る必要があるのだ。
だが仕事の場では、これは自然には起きない。 ...
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