March 2021
Beginner to intermediate
288 pages
5h 8m
Japanese
| ジャスパー・レイマーズ | ![]() |
かつて私は、社会・文化人類学の修士号を取得するために、リュレッド・ダ・マール(スペインのコスタ・ブラバ)でフィールドリサーチを行った。当時、1990年代前半、この場所は現代のソドムとゴモラのような場所で、セックス、ドラッグ、アルコールにまみれた場所だと言われていた。若者がそこに行くのは、何らかの「成人の儀式」をするためか、少なくとも大人になるための大きな一歩を踏み出すためなのか。私はそれを探ってみたいと思っていた。
私は、ヨハン・ホイジンガの作品を参考にした。彼は著書『ホモ・ルーデンス』(ランダムハウス、1938)†1のなかで、文化は遊びのなかから始まり、遊びによって駆動されるという仮説を立てた。ここで言う遊びとは、「日常生活の外側に意識的に存在し、プレイヤーを強烈かつ完全に夢中にさせる自由な活動」と定義した。ホイジンガは、遊びは文化より古いもので、社会的行動の出発点でありエンジンでもあると主張した。
[†1] 原著『Homo Ludens』(Random House、1938)
調査結果は、私自身の仮説をおおよそ裏付けるものだった。調査した青年たちは休日をリュレッド・ダ・マールで過ごし、タバコを吸ったり、夜ふかししたり、アルコールを飲んだり、もちろん誘惑や恋愛を体験したりして、大人の行動をして「遊んで」いた。多くの人は、恍惚とした瞬間を経験したあとで、逃れようのない惨めな感情を味わった。その一方で、彼らはリュレッド・ダ・マールを「遊び場」にして、ものすごいスピードで「大人の知恵」を身に付けていったのだ。 ...
Read now
Unlock full access