はじめに
スクラムに関する97本のエッセイをお届けできることをうれしく思う。本書は、スクラムを学ぶための本ではない。その代わり、スクラムフレームワークのルールや役割、スクラムの目的、スクラム適用の戦略、戦術、パターン、現場の体験談、そしてスクラムを超えたスクラムについての視点など、さまざまな知見やインサイトを提供する。
(1995年に発表された)スクラムの適用はだんだんと広がり、(2001年に発表された)アジャイルマニフェストに沿ったやり方のなかで最も使われるようになった。それでも、いまだにスクラムの実践にはたくさんの課題が存在する。スクラムへのたくさんの誤解を解くだけでは不十分だ。新たな入門者、スクラムフレームワークの理解を改善しようとする人たちに、スクラムの知識を伝えるいちばん良い方法とチャネルを探し続けなければいけない。
スクラムが広く使われるようになり、何百万人も実践者がいるおかげで、膨大な知識、実際の経験が共有できるようになっている。同時に、スクラムを始めようとしている数え切れないくらいの人や組織が、知見、アドバイス、ストーリーを求めている。知見を深めたいと考えている実践者もたくさんいる。本書によって、全世界の経験豊富な実践者とそれを必要とする人をつなげたいと思っている。
スクラムはシンプルだが実践は難しいとされている。スクラムは複雑な課題に取り組むためのシンプルなフレームワークだ。複雑なプロダクト開発はそのような課題の一部だ。スクラムには多様なプラクティスや戦術を取り入れる余地がたくさんあり、スクラムのなかでそれらを利用できるようになっている。スクラムをいろんな形で具現化するのに、スクラム実践の先駆者たちから話を集めて利用できるようにする以上に良い方法があるだろうか? 本書から、経験豊富な実践者がどのように問題や課題に取り組んだか、そして将来の実践者にとって何が重要と考えているかを学べる。 ...
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