March 2021
Beginner to intermediate
288 pages
5h 8m
Japanese
| ジェームズ・コプリエン | ![]() |
さて、何の話だと思っただろうか? プロダクトバックログは、スクラムにおいてニーズをチームに伝える方法ではない。優先順位で並べられてもいないし、要求についてでもない。ウォーターフォールの世界のプラクティスや作成物の呪縛から逃れられていないスクラムチームはまだ多く、スクラムから得られるメリットを享受できていない。
プロダクトバックログをプロダクトオーナー、開発者、ステークホルダーのあいだでなされた合意を記録するツールだと考えているのだろう。第1に、プロダクトバックログは判断を思い出すためのコミュニケーションツールではない。人が書くのには2つの目的がある。伝えるためと思い出すためだ。アジャイルで主となるコミュニケーションメカニズムは、書くことではない。顔を合わせて話すのが主だ。書くのは思い出すためだ。
第2に、プロダクトバックログはプロダクトバックログであって、要求バックログではない。プロダクトバックログは、毎回のスプリントサイクルの終わりにプロダクトインクリメントとして適切に提供される形に分割されている。バックログは、プロダクトバックログアイテム(PBI)の形で、提供可能な独立した項目として分割される。漏れを防ぎフィードバックの頻度を増やすことで、リスクを減らせるサイズになっている。通常、プロダクトバックログをリリース計画として宣伝したりはしない。内部で仕事を分割し、進捗させるためのものだからだ。 ...