訳者まえがき
本書は、Gunther Verheyen著『97 Things Every Scrum Practitioner Should Know』(ISBN:978-1492073840)の全訳である。翻訳は株式会社アトラクタのアジャイルコーチ3人で行った。原著の誤記・誤植などについては著者に確認して一部修正している。
アジャイルやスクラムの実践者の多くは、アジャイルマニフェストを読んだことがあるだろう。いちばん目に入る箇所は、「プロセスやツールよりも個人と対話を」「包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを」「契約交渉よりも顧客との協調を」「計画に従うことよりも変化への対応を」という価値観のところではないかと思う。
だが、それより前に注目してほしい箇所がある。冒頭の一句だ(太字は訳者による)。
私たちは、ソフトウェア開発の実践あるいは実践を手助けをする活動を通じて、よりよい開発方法を見つけだそうとしている。
これが意味するのは、アジャイルとは「よりよい開発方法」を見つける終わりなき旅であるということだ。
スクラムについて見てみると、1995年にケン・シュエイバーとジェフ・サザーランドによって世に出たあと、多くの実践例から得た知見をもとに進化を続けてきた。2010年にスクラムの共通のルールブックとなるスクラムガイドが作られ、以降2011年、2013年、2016年、2017年、2020年と改訂が繰り返されている。今後も実践者のフィードバックを取り入れながら改訂されていくであろう。
同じことが実践者である私たちにも必要だ。事前に定義したプロセスにただ盲目的に従って、それを守ることを目的化するのではなく、「よりよい開発方法」を見つけるために、実験や学習を続けていかなければいけない。 ...
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