06導入してから適応せよ
| ステファン・バーチャック | ![]() |
スクラムは最小限に近いプロセスフレームワークであり、チームにとっていちばんうまく機能するように適応させるものだ。ときどき、スクラムを導入するときに「適応」を拡大解釈して、既存の(伝統的な)プロセスの化粧直しだけでスクラムプロセスに「適応」したことにしてしまうチームもいる。適応がいちばんうまくいくのは、スクラムプロセスの価値と原則をチームがものにしてからだ。今までと異なる働き方を理解しようとするなら、実践と経験が必要だ。
スクラムを導入するにあたって時期尚早な適応のよくある例は、チームがスクラムイベントを自分たちには合わないと判断してしまうことだ。スプリントプランニングを短縮したり、チーム全員が参加しなかったり、過去の実績をはるかに超える量の仕事をスプリントバックログに詰め込んでしまったりする。デイリースクラムが進捗ミーティングになったり、もっと悪いことに、ほかの進捗ミーティングもそのまま残っていたりすることもある。スプリントレビューとレトロスペクティブは駆け足でやるか省略する。要は、イベントは名ばかりで、スクラムの価値が伝わっていないのだ。これではダメだ。チームがスクラムの価値を得られないだけならまだマシだ。最悪なのは、スクラムもどきやハイブリッド型の手法が無駄なオーバーヘッドを増やし、パフォーマンスを悪化させることだ。
こうなる理由は組織によってさまざまだが、2つの共通する要因が関係してくる。第1に、ストレスがかかると人はこれまでのやり方に簡単に戻ってしまうことだ。変化は何にせよ難しく、学習も労力も必要になる。第2に、スクラムは理解は簡単でも使いこなすのは難しいことだ。スクラムイベントをやるだけがスクラムではない。チーム全員が規律を守り、プロセスがうまくいくように全力を尽くすことが求められる。 ...
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