10「完成」で何を定義するか?
| ギュンター・ヴァーヘイエン | ![]() |
商機を捉え、ビジネスで成功したいと考えているチームや組織がある。スクラムは、「完成」したインクリメントを保証することで、チームや組織を助けることができる。それぞれスプリントの終わりまでには、リリース可能なプロダクトが完成するのだ。スプリントの長さは最長でも4週間(通常はもっと短い)なので、組織は、マーケットへのプロダクト投入を早め、機会をものにして、価値を生み出せる。
「完成」の意味するところに透明性がなければ、スクラムを効果的に適用するのは難しい。「完成」の定義によって、全員が「完成」の意味を理解するのだ。インクリメントが提供するプロダクトの機能の想定価値を考えるには、「完成」の共通理解は欠かせない。開発チームがスプリント中にどれだけ完成させられるかを見積もるにも、完成の定義による明確な基準が必須だ。スプリント中、どのプロダクトバックログアイテムがインクリメントとして完成しているかをチームが判断する基準となるのが完成の定義だ。
プロフェッショナルな組織は、完成したインクリメントしかリリースしない。スクラムのプロフェッショナルは完成の定義にこだわる。常にだ。インクリメントに「未完成」のものは含まれない。未完成のものが本番環境に入ることはない。絶対にだ。プロフェッショナルは、完成の定義をふりかえった結果を踏まえて、プロダクトの品質を上げる方法に反映する。
実際にリリースできるプロダクトのインクリメントを作れないチームは、世界中にいる。コードもテストも、チーム内ではできているかもしれない。だが実際のインクリメントは、長い時間が経過したブランチに散らばって埋もれたままだ。スプリント終了時のコードが、依然としてほかのチームのコードと統合が必要なこともある。さらにひどい場合には、統合してもらうために、ほかの組織に向けてリリースしなければいけないこともある。このような場合、スクラムは、組織のアジリティを妨げる重要な組織的機能不全をつまびらかにする。かなり長い「未完成」の時間が残っている。未完成の仕事を完成したインクリメントに仕上げるために必要な時間だ。この無駄な遅延が、機会を捉えたリリースを不可能にする。 ...
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