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章 ソフトウェア工学を質的手法で理解する
ただし、質的手法を使うということは、人に数個の質問をするというような単純なものではありませ
んし、質的研究に関する報告を読むことも、要約を読むみたいに単純ではありません。本章では、質的
手法とは何か、質的研究の結果をどのように読み解くべきか、そしてあなたが自分の仕事に対して質的
手法を適用してソフトウェアのプロセスや品質を改善するにはどのようにしたらよいかを説明します。
質的手法とは何か
?
簡単に言えば質的手法とは、(言葉や絵などの)数字でないデータを系統的に収集し解釈することを言
います。量的手法と同様に、質的手法は信念の正しさを裏付けたり棄却したりする(演繹的推論)ため
のデータを集めるのに用いることができます。一方で質的手法は、データを集めて新しい説明に到達す
るという形で、帰納的推論の手助けにも用いることができます。質的手法は数字以外のデータを集める
ので、より自然な状況において適用可能です。
説明の
ために、特定のシナリオに着目し、どのように質的手法を用いて対象を理解するかを議論して
みましょう。あなたが、ソフトウェアチームのマネジメントを開始したところだと思ってみてください。
新しいプロジェクトを率いて、チームのみんなが欲しくてたまらなかった凄い機能が付いた新しいバグ
トラッカーを採用したところだとします。その後の数カ月に渡ってあなたは、チームのメンバーが多数
のコードにパッチを当てて大いに進捗したところを見ますが、しかし新しいシステムのバグリストを ...