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原子力エネルギーから
電気を作る
6-7
原子力電池、放射性物質、プルトニウム
原子力エネルギーを電池にする
「原子力エネルギーから電気を作る」と聞くと、原子力発電をイメージ
する人も多いかもしれません。しかし、これは火力発電と同様の発電方式
であり、電池ではありません。
原子力電池(放射能電池、ラジオアイソトープ電池、RI電池)では、
放射性物質(ラジオアイソトープ)が崩壊したときに得られる熱を利用し
て、電気を取り出します。用いる放射性物質は、当初はセリウム、キュリ
ウム、ストロンチウムなどでしたが、現在はほとんどがプルトニウムで、
1960 年代に宇宙用として実用が始まりました。
長期安定する電池
放射性物質に中性子が衝突し、崩壊するときに放出されるα線とβ線の
放射線は物質に吸収されると、高い熱エネルギーを放出します。保温材に
熱エネルギーを閉じ込めると高い温度が得られるので、この高温と周囲の
温度差によるゼーベック効果(6-6)により電気が得られます。具体的に
は熱電変換素子を用いて発電します(図6-15)。
使用されている放射性廃棄物プルトニウムは、物質中の核種が崩壊し、
安定するまで時間がかかります。そのため長期間安定してエネルギーが供
給可能であるので、太陽電池が利用できない深宇宙空間など、探索機に搭
載されていました。また寿命の長い電池は、体内に埋め込む手術の回数が
少なくなることから、心臓ペースメーカー用に用いられたこともあります
(図6-16)。
しかし搭載していた人工衛星の事故により、プルトニウムが陸地に墜落 ...