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イタイイタイ病、酸素ガス
電池にカドミウムが使われ
続けていたのはなぜか?
3-8
ガスの発生をおさえるカドミウム
ニカド電池には、1960 年代にイタイイタイ病という公害問題を引き起
こした、人体に有害なカドミウムが含まれています(図3-15)。それでも
カドミウムがニカド電池に使われてきたのには、理由があります。
ユングナーが発明した当初のニカド電池では、鉛蓄電池と同様に、充電
末期から過充電になると電解質中の水が分解されて、負極から水素ガス、
正極から酸素ガスが発生するという問題がありました(3-6)。
しかしカドミウムは、一次電池の乾電池にかつて含まれていた水銀と同
じく、水素過電圧が高く(2-5)、酸素と反応しやすいという性質があり
ます。そこで負極活物質に使うカドミウムの量を十分取っておくことで、
負極の水素ガスの発生をおさえ、正極からの酸素ガスを負極で吸収させる
ことができるのです。このように電池内部でガスの生成をおさえることが
できるので、液漏れ問題の少ない密閉型の形成が可能となりました。
使い勝手のよい電池構造
現在のニカド電池は、一部のリチウム一次電池と同じく、電解質を含ん
だセパレータをはさんで正極板と負極板をロール状または積層にしたスパ
イラル構造(2-12)になっています(図 3-16)。これらは鉄缶に詰めら
れて、さらに外側は外装ラベルや絶縁チューブで覆われた密閉型です。ま
た正極端子からの酸素ガスが発生した場合に備えて、ガスを逃がすための
排出弁が取り付けられています。
このような構造により、ニカド電池は、丈夫で振動や衝撃に強く、大き ...